4号 スパイダーマン/デッドプール:ブロマンス
見開きの対照性:デッドプールの陰とピーターの陽
[邦訳72頁]
フランス紙フィガロの見開きの対照性に言及した良記事。
🍀LeFigaro(抄訳)「善人ヒーローの仲間入りを目指すデッドプールは完璧なるお手本から学ぶためスパイダーマンとお近づきになることにする。この見開きページの対称性は二人の双対性の図解。一見違うように見えてその実切り離せない表裏一体の二人。その違いを強調している。
二つのページの中心部にはピーターが逆さまに吊り下がる一方、ウィルソンは座している。蜘蛛男はコスチュームを着ているがマスクをしていない、デッドプールはマスクはしているがコスチュームを着ていない。そこに見えるのは陰と陽の象徴以外の何物でもない。デッドプールとウォールクローラーは真逆でありお互いを補い合う存在だ。左上のパーカー社オフィスはモダンでピカピカ、右にはデッドプールの妻であり怪物の女王シクラーのねぐら、中世の面影らしさを持つ。
『お互いに正反対のヒーロー二人』
二人のヒーローの作業場もまたお互いに正反対だ。パーカーの方はハイテクラボ、非常に洗練され冷たい青い光に満ちほとんど病院のようだ。デッドプールの方は詰め込み過ぎた書庫、魔法の本でいっぱい、ろうそくの暖かな光に照らされる。左手のテクノロジー、右手の魔法。ウォールクローラーの部屋はネジにナット、ドライバーがあちこちに転がっている、作り出すための道具だ。傭兵の方は弾丸の薬莢が散らばってる、破壊するための道具だ。二人のヒーローに連れ添う相手にも同じ双対性がある、アナ・マリアとシクラーだ。スパイダーマンの女友達は小さく、ショートヘアでビジネススーツ。シクラーは細身、ロングヘア、豊かな胸元を露わにした体にぴったりとしたドレス。愛情が籠った二つの場面は相互に作用しあい、まるで愛だけが二人のヒーローの唯一の共通点だと示しているようだ…」
🔔ジョー・ケリー氏脚本の醍醐味は、まさに最初から最後まですべてがデッドプールとスパイディの双対性描写なこと。衝撃展開を盛り込み立場を逆転させつつ糸が絡み合いながら関係発展を続け、最初と同じ場面で真逆の意味を持った最後で綺麗に幕を閉じる。繊細に編み込まれた巧みな脚本。
フランス語は英語よりもスペルが長くなるため台詞枠に収めるのに苦労するのは一緒のはずだけど、フランス語翻訳本は台詞のタメ「…」まで反映するとても丁寧な翻訳でファンはほとんど原書を読むのに近い感覚で翻訳本を楽しめる。だから読者にもきちんと場面の意味がこうして伝わってる。
🔔邦訳ではブロマンス&イッツィ・ビッツィの伏線や物語を無視していて、読者には本来の物語の理解も難しいしこうした考察が不可能な状態
例えばこの見開きの重要な台詞となる、友情を殺害に利用しようとするデッドプールの悪性と対比した「Everyone can be saved.誰もが救われていい」とピーターの世界中の人に救済を願う無私の聖性を表す台詞を、なぜかまたもや「(自分なら)誰でも救えるさ」とエゴな傲慢台詞にありえない改変してる。見開きで強調されてる純粋で重要な台詞をそんなおかしな改変しちゃページや物語の意味が壊れちゃうでしょ!!!???
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